
「歩きにおいでよ」と手招きをするようにゆるやかにたなびくススキの穂。足もとに目を向ければ、秋の草花たちが優しげに揺れています。今回は佐助稲荷から大仏ハイキングコースを抜け、北鎌倉の浄智寺まで歩いてみましょう。比較的人も少ないこのコース、歩く時間は二時間弱ですが、午前中いっぱい使っての〜んびりと道草しながら行くのがおすすめです。ちょっと険しい山道もありますので、絶対に歩きやすい服装で!
鎌倉駅西口から市役所前を経由して佐助稲荷へ。さりげなく咲く秋の草花越しに長く続く赤い鳥居と旗の間のくぐり抜けると、出迎えてくれるのはキリリとした表情の御狐様。鬱蒼とした緑に包まれた境内のあちらこちらに小さな御狐様がたくさん祀られていて、神秘的な異空間が広がっています。さて、境内裏手から続く山道を登りましょう。距離は短いですが、足場が悪く滑りやすい箇所が多いので、十分に注意して登って下さいね。登り切ると大仏ハイキングコースにぶつかりますので、ここを右に曲がって源氏山公園へと向かいます。途中の見晴らしの良いスポットからは逗子マリーナが。
到着した源氏山公園でちょっと一休み。例年十一月の半ば過ぎには紅葉で賑わうこの公園も、今はその準備期間。静かな時間が流れます。ほんのりと秋めいた木々の表情にホッと気持ちも和んだところで、時折見かける猫たちに一声掛けつつ出発です。道すがら、すぐ近くの葛原岡神社に立ち寄ってみるのも良いでしょう。十月桜が咲いているかもしれません。
さて、再び山道を歩いて最終地点の浄智寺へ。佐助稲荷の険しい登り道に比べればずいぶん楽ですが、時々かなりアップダウンがきついところもありますので、頑張って歩きましょう。左手に現れる長いフェンス沿いにずんずんと山を降りると浄智寺に到着です。お疲れ様でした!今年三月に建て直された鐘楼門の前ではススキの穂が揺れ、茅葺きの屋根に見守られながら気持ちよく空へと伸びるシオンやシュウメイギク、周りをくるりと見回せばムラサキシキブにホトトギス…。一つ一つは控えめなのに、絶妙な統一感で秋を演出してくれる草花たち。なんだかとてもいとおしく感じます。
〜鎌倉ケーブルテレビ・チャンネルガイド2007年10月号掲載〜
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