鎌倉好き集まれ!山田海人さんの鎌倉リポート・第2号(2005年4月28日)

岩笛を吹いてみよう!

丈夫な石の岩笛

海辺を歩いていると石に穴のあいているものを見つけることがあります。
 昔、海辺の大きな岩であった頃、波にゆられるのを嫌った貝が動かぬ岩にとりついて酸を出したり、殻を左右に振ってゴリゴリと穴をあけて、その穴に棲んでいました。
 その大きな岩がやがて砕けて、穴の空いた部分が手頃な石になりました。おそらく何百年、何千年の刻を経て。 そんな穴の空いた手頃な石は、岩笛(いわぶえ)と呼ばれる最古の楽器です。
 縄文時代の遺跡からも出土している岩笛は、当時の部族のリーダーが合図に鳴らしたり、神聖な行事に吹いたりしたもののようです。
 私が鎌倉で拾った”岩笛”は、硬い石で出来ています。 穴に口を寄せて唇を「への字」して吹くとピ~と鋭い音が響きます。 波の音や風にも負けずに遠くまで届く響きです。 こうして海辺で岩笛を吹くと縄文人の響きのように聞こえて何とも形容できない懐かしさを感じます。
 皆さんも穴の空いた石を見つけたら唇を寄せて、岩笛を吹いてみませんか。こわれやすい砂岩でもその場で吹くと良い経験になります。そのうち硬い石のを見つけて吹けるようであれば”岩笛”として大切なお宝にして下さい。

穴の貫通しているものは指でふさいで吹いてみましょう。