ほぼ週刊サキドリニュース

2023年9月14日付の記事
特別展「清方×文学 ―紅葉への憧憬、鏡花との友情―」

清方芸術の魅力の一つに、文学作品をもとに情緒豊かに描かれた物語絵があります。
清方は挿絵画家として歩み始めた頃に、尾崎紅葉とその高弟・泉鏡花に出会います。人気と実力を兼ね備えた彼らの小説に絵を描くことにより、清方の知名度も高まっていきました。さらに、尾崎紅葉らにより結成され、明治20~30年代の文壇で主流をしめた硯友社の同人たちの小説へも数々の口絵や挿絵を寄せました。若きこの頃に培った文学的教養は、清方の創作活動の礎となり、晩年まで文学に取材した作品を多く生みました。
泉鏡花生誕150年、尾崎紅葉没後120年にあたる今年の特別展では、清方と硯友社などの文学者との関わりについて、日本画や挿絵をはじめ、交流を示す多彩な資料を交えて紹介します。