鎌倉十三仏

十三仏霊場巡拝とは

十三仏巡拝は最高の先祖供養の御参りです。大慈大悲の仏さまの中でも十三仏の諸尊は私たちの身近な仏さまとして広く信仰を集めています。
十三仏は亡者が冥界への旅立ちに際し、中陰から年忌のご本尊さまとして、現世から未来永劫にいたるまで、私たちをお導き下さいます。

十三仏を参拝すれば亡き人の追善になります。また追善を行ったという善行の功徳により、自分が死んだ後に十三王の審判から救済されて後生は善處に生じると信じられています。十三仏霊場は日本各地にあり、多くの人が巡拝しています。もちろん鎌倉にも十三仏霊場があります。
御朱印帳を持ち、慈悲にみちあふれた仏さま、忿怒身の仏さま、優しい仏さまたちに会いに…。 私たちの過去から現在までの罪障消滅、そして未来は善處に生まれるように…。 また、冥土に旅立った両親・家族・親類縁者の追善のために巡拝に出てみませんか?
きっと何かにふれ会えるでしょう。

一番札所・明王院

不動明王(秦広王 初七日忌)

鎌倉幕府第四代将軍・藤原頼経の発願によって建立された祈願寺。本堂には創建(一二三五年)当初の不動明王をはじめとする五大明王が祀られている。鎌倉時代から祈願寺として重んじられ、元寇の際には異国降伏祈願が執り行われた。毎月二十八日十三時より、本堂で護摩法要が行われている。

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二番札所・浄妙寺

釈迦如来(初江王 二・七日忌)

鎌倉五山第5位の寺格をもつ古刹。源頼朝の忠臣で豪勇の士であった足利義兼が1188年(文治四年)に創建し、始め極楽寺と称した。開山は退耕行勇師で当初は密教系の寺院であったが、建長寺開山蘭渓道隆の弟子月峰了然が住職となってから禅刹に改め、ついで寺名も浄妙寺と称した。境内は国指定史跡。

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三番札所・本覚寺

文殊菩薩(宋帝王 三・七日忌)

身延山から日蓮の遺骨を分骨したため「東身延」と称し、日蓮宗の寺として格式の高さを誇る。七福神の恵比寿神を祀る八角形の夷堂がある。寺内で百日紅の大樹や栴檀、牡丹が花を咲かせる。第二祖行学院日朝上人が眼病救護で有名。地元では「日朝さん」と呼ばれ親しまれている。

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四番札所・報国寺

普賢菩薩(五官王 四・七日忌)

創建は1334年(建武元年)、開山は天岸慧広、開基は足利尊氏の祖父・家時であり、創建は上杉重兼と言われる。境内にあるやぐらは、永享の乱(1438〜1439年)において当寺で自害した四代鎌倉公方持氏の嫡子義久と開基家時の墓と伝わる。竹寺と呼ばれ本堂裏手の竹の庭が有名。凛とした禅寺特有の風情が感じられる。

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五番札所・円応寺

(閻魔王 五・七日忌)

十三佛信仰の元となる十王を祀る寺。本尊の閻魔大王座像は運慶作と伝わり、国の重要文化財。近在の人々に「笑い閻魔」「子育て閻魔」と親しまれている。閻魔様の前にて合掌し心静かに「懺悔文」を三度唱えると、今まで犯した罪は全て許されると言われている。

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六番札所・浄智寺

弥勒菩薩(変成王 六・七日忌)

鎌倉五山第4位。北条宗政の妻と子の師時が1281年(弘安四年)ごろに創建。総門の手前に鎌倉の十井のひとつ、甘露の井があり、苔むした石段をあがると中国風鐘楼門、その先に曇華殿と呼ばれる仏殿がある。また、七福神の布袋様が祀られている。

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七番札所・海蔵寺

薬師如来(太山王 七・七日忌)

1253年(建長五年)鎌倉幕府六代将軍宗尊親王の命により藤原仲能がここに七堂伽藍を再建したが、1333年(元弘三年)の鎌倉幕府滅亡時に焼失。その後、1394年(応永元年)鎌倉公方足利氏満の命により上杉氏定が開基し、心昭空外を開山に招いて再建。山門脇には鎌倉十井のひとつ・底脱の井、薬師堂裏には十六の井があり水の寺とも呼ばれている。

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八番札所・禅居院

観世音菩薩(平等王 百ヵ日忌)

建長寺22世清拙正澄(大鑑禅師)の塔所。開創は元徳年間(1329〜1331年)とされる。清拙正澄(1274〜1339年)は中国の僧で、14代執権北条高時の招きで来日した。漢詩文、いわゆる五山文学にもすぐれ「禅居集」などが知られている。本尊の聖観世音菩薩像は、鎌倉時代独特の遊戯座像で神奈川県の文化財に指定されている。

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九番札所・浄光明寺

勢至菩薩(都市王 一周忌)

北条長時が真阿和尚(真聖国師)を開山に招き、1251年(建長三年)に建立した赤橋流北条氏の菩提寺。鎌倉幕府滅亡後は足利尊氏が一時螫居した寺としても知られ、その後も足利氏により厚い庇護を受けた。裏山には阿仏尼の子で冷泉家の祖である歌人・冷泉為相の墓もある。

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十番札所・来迎寺(西御門)

阿弥陀如来(五道転輪王 三回忌)

一向上人が鎌倉時代中期に建てたと伝えられている寺で、西御門の閑静な住宅街にひっそりと建っている。細かいところにも手入れが行き届いた気持ちの良い寺。平成になって改築された本堂には穏和な笑みを浮かべた如意輪観音が安置されている。その表情や複雑な衣紋に南北朝の特色が見られる。

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十一番札所・覚園寺

阿閦如来(蓮上王 七回忌)

1218年(建保六年)に北条義時が夢のお告げにより建立した大蔵薬師堂をもとに、1296年(応永四年)に北条貞時が創建。阿閦如来以外でも本尊、薬師三尊、十二神将、黒地蔵尊、愛染明王など多彩な仏像を祀っている。

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十二番札所・極楽寺

大日如来(抜苦王 十三回忌)

鎌倉で唯一の真言律宗の寺院。北条義時の三男重時が1259年(正元元年)に造営を始める。その後忍性上人を開山に迎えて七堂伽藍を備え、また四田院を設けるなど貧しい人を救済するための事業に取り組んだ。災害などにより多くの堂宇が失われたが、境内に残る製薬鉢や千服茶臼が往時を偲ばせる。

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十三番札所・成就院(虚空蔵堂)

虚空蔵菩薩(慈恩王 三十三回忌)

虚空蔵菩薩は一切の仏様を拝んだものと同じ効果があり、無量の福徳と知恵をそなえ、すべての願いごとをかなえてくれる仏様といわれる。お堂へ続く狭い石段の両脇に立つ「南無虚空蔵菩薩」と書かれたのぼり旗が印象的。成就院から長谷方面に坂を下ったあたりにある。

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