鎌倉好き集まれ!山田海人さんの鎌倉リポート・第15号(2005年6月6日)

馬の歯は鎌倉の浜が有名

馬の歯 左が大臼歯、右は犬歯

 鎌倉の浜は時折、馬の歯が打ちあがるので有名です。
年に数十本もの馬の歯が打ちあがるのは日本でも鎌倉
の浜だけです。

 鎌倉の浜は内湾性の奥行きのある海岸だから、古い
馬の歯が打ちあがるのです。
 馬の歯は、雄が40本、雌が36本で犬歯をもって
いるのは雄だけです。 
 馬の歯で特徴があるのは、奥歯の大臼歯と雄だけにある
犬歯です。二つ並べるとこんなに大きさが違います。
 大臼歯の歯のすりあわせ部分は、画像のように波打って
いて、ここで草がすりつぶされて食道へ入っていきます。

 このすりあわせ部分が識別できると馬の歯を見つける
ポイントにもあります。 馬の歯の特徴をイメージする
と探しだし易いですよ!。

大きな大臼歯は目立ちます。

犬歯にもすりあわせ部分があります。

 馬の犬歯は、雄に4本しかないので、浜で見つけるのは
大変です。 

 貝や小石が集まっている箇所を良く見ていると見つける
ことができます。 白く細長いものを見つけたらすりあわ
せ部分を確認し、この模様があれば馬の犬歯が濃厚になり
ます。
 先に義経が乗った馬は? で馬の歯を紹介しましたが
鎌倉の馬の歯は日本のビーチコーミングで有名なお宝と
なっています。
 
 今、この馬の歯について、いろいろ調べを続けています。
鎌倉時代の馬がどのような馬であったのかを物語る貴重な
証拠でもあり、当時の馬の情報がこの歯に一杯詰まってい
ます。 これからそれらの情報が一つずつ明らかにされて
いく日も、そう遠い日ではないでしょう。

大臼歯の神経がつながっている箇所のアップ