鎌倉好き集まれ!春風裕さんの鎌倉リポート・第50号(2009年11月27日)

光~霜月(前篇)

東慶寺(11月3日)

東慶寺は、境内の奥へ行くほど薄暗くなってしまう。

鎌倉特有の谷戸と呼ぶ地形のせいだったり、木々に太陽の光が遮られていたりするからだろう。

そんな薄暗い林に射し込む光は、とても眩い。

そして、もみじの葉っぱや竹の葉っぱが輝き始める。

永福寺跡(11月7日)

白いススキの穂も、光が無いと輝かない。

ススキの天国になっている永福寺跡の周りを少し歩いてみた。

永福寺があった頃はどんなだったろう、そんな想いを巡らせてみる。

今は、とても静かで、ちょっと寂しい場所だ。

鶴岡八幡宮(11月7日)

池に映る木々の紅葉や真っ白な美術館が、とても美しい。

鶴岡八幡宮は、僕にとってみると、鎌倉散策の始まりと終わりの場所みたいだ。

夕方に帰り着いたら、鳥居の向こうに夕暮れの光が見えた。

長谷寺(11月15日)

長谷寺の紫陽花の小径(紫陽花の頃以外は名前が変わっていると思うけど)からの眺めはとても素晴らしい。

由比ガ浜や材木座から逗子あたりの眺めが良い。

この日は特に目がくらむほど海が輝いていた。

思い切り露出を落として撮ってみたら、こんな写真になった。

実際は、下の方が見たままの風景だ。
長谷寺には、石仏が沢山ある。

可愛いお地蔵さんもあちこちにある。

陽射しが射し込んで、石仏が眩しそうに見えた。

ガラスに映った和み地蔵が微笑んでいた。

光則寺(11月15日)

光則寺奥の薄暗い土牢前の林から、光が射し込んでいた。

訪れる人は少ないお寺だから、ほっとした時間を楽しめたりする。

そこにどんなものがあるか、それも大事だが、それを見つめる眼の方が、もっと大事だと思う。

写真を撮り始めて、感じつつあることだ。

海蔵寺(11月15日)

光をうまく捕まえることができたなら、何となく良い写真のように見えてくる。

写真は光をうまく捕まえることが大事だと思う。

光を遮るものがあって、影ができる。

影の存在が、光をより光らしくする。

そんな風景は、鎌倉のいろんなところにある。


-何となく、いつもと違ったレポートにしてみました。伝わるものがあったでしょうか。鎌倉の秋はどんどん深まって行きます。冬の日の陽射しの暖かさを撮ることができたら、師走バージョンも作ってみます。その前に霜月バージョンの後編をアップしたいと思っていますが。